現場で親切にしてくださる方は多いです。
（たまに・・とっても怖い人もいますが。苦笑）
その中のお一人の男性のお話です。
若いときに結婚。
順調に普通の生活をされていたそうです。
そしてある日、体調の異変を感じ・・病院受診。
病名は聞いておりませんが大病だったそうです。
奥さんと二人で病気を乗り越えていこうと言うことでしたが、奥さんから途中で離婚を言われたそうです。
仕方なく離婚。
そのあと病気を乗り越えて、再就職。
働いて、働いて、まじめに働いているとある女性と出会い、再婚。
そしてまた普通の幸せの日々が続いたそうです。
それが数年続き、ある日、食欲が落ちてきたので病院受診すると・・診断名が
「胃がんです」。
絶望したそうです。
また病気か・・と。
しかし奥さんが自分を支えてくれたそうです。
胃の切除、転移の場所の切除・・
やせ細って働けなくなったそうです。
そして奥さんが働いて・・
しかし、奥さんから離婚を言われ、また一人になったそうです。
身体を治して働こうと思い、頑張り・・・
清掃の仕事にやっと就職できて毎日働けるのが嬉しい、というお話でした。
奥さんも、子供も居ない。
親戚も両親からの問題で誰ともつきあいがいない。
友達はもう先にあの世へ行っているから自分一人・・・
話をするのは職場の人だけで、休みの日には町を歩くか買い物をするぐらいか。
家に居てもなにも楽しくはないし・・と。
昔の写真を見せてくださいました。
顔も身体もパン！と張っていて、しっかりした男性。
今は着ている制服も大きくて、強い風が拭いたら倒れるかも、と心配なぐらいやせ細っていて・・
病気をするたびにどんどん人生が落ちてきて、彼の身体と幸せのすべてを奪っていく。
健康だったら・・
健康だったら・・
何もこんなに苦しまなくて良かったのに。
とても優しいお話の仕方をされる方でしてね・・・
私に仕事のやり方を静かに教えてくださる方です。
こんなに優しい人なのに、なぜ不幸にばかり襲われるのでしょうね・・・
愛に支えられる人生になれないのはなぜなのでしょうね。
細々でも二人で働けば食べていけるはずなのに。
「私も一緒ですよ、一人ですし、子供も親戚もないですし」と言うと、
「何かあったら僕に連絡をしなさいね。役に立てることがあったらしてあげるから」と言ってくださいました。
愛のある言葉だけでももらえると嬉しいです。
優しく、穏やかに一人で生きている人を支え合える何かができないかしら・・と思うのでした。
