先祖代々、お寺にお世話になっていて、
前のご住職さんまでは良かったけれど、今の息子さんは・・
まったく学もないし、心遣いもない。
お経を読んだらそれで終わりだし・・
月命日も私の代で終わらせようか・・
息子や娘はこの家にはいないし、仏壇は小さくして、息子に譲らないとならないし・・
それとお墓も一つにしてビルの納骨堂にしてもらって、孫やひ孫の代になってもお参りできるようにしておきたいし・・
田舎のお墓は大変だから。
ある方からのご紹介のお客様。
うんうん・・とずっと聞いていました。
この問題、多いのです。
ご主人がおられるまではそのままで良いですが、お母さんが思うのは
「子供に負担を掛けたくない。自分が大変だったから」ということ。
会員、檀家さんを辞めるにはそうとうの覚悟が必要ですものね。
でも自分が生きている間にしないと。
あるお寺でその話をしたら莫大な金額を要求されて、お墓も触らせてくれないということになり、仕方ないのでお墓の一部を持ってきて・・という話もありますし、
家族さんが怒って、お寺を・・ということもあります。
揉めないようにしたい。
揉めるなら私の時に。
いろんなお寺がありますからね。
お釈迦様がいつも見られているのに、それしますか?という濃いお話も多い。
ずっとお話を聞いていて、
これは間に人を入れ、書類を残された方がいいかも、と思いました。
すると
「話していて気がつきましたが、間に人を入れて話しをしたほうが良いかもしれませんね」と言われたので、
「私もそう思います」と言われました。
その後、無事に檀家を辞めて、お子さん達の町のお寺に移動されたそうです。
もう一つは、
家族が事故や病気で先にあの世へ逝って、自分だけが残り、
自分が亡くなった後のお墓、お寺のことが心配になり、
「話を聞いて欲しい」とご依頼。
自分が痴呆になって何もできなくなり、周りに迷惑をかけることを考えると、すべて整理して置きたいというお話。
永代供養にしたいが、その話を親戚にすると
「それなら本家に全部まとめたらどうか?」と言われるのはわかっているし、夫が本家と上手くいっていなかったことも知っているのでそれは避けたい。
親戚は口だけだしてきて、面倒くさいというお話を聞いて、
「自分の死後を真剣に考えている人とお話をしたらいいですよ。
きっと同じ気持ちと思いますよ」と話すと
「参考までに(私に)聞かせてもらえますか?」と言われたので
「私があなたの立場なら、御先祖様にご挨拶をしてお詫びをしてまわり、自分の責任のお墓をまとめます。
あの世へ逝ったら御先祖様に再度ご挨拶、お詫び等参ります、と話します。生きている間にお墓のことを綺麗にしていくのが最期の自分の役目だと思うので」と話すと、
「決意がしっかりされているのですね。私もしっかりしなきゃ」と言われました。
強い人など居ないのです。
弱いんです。
ただ・・強くならざるを得ないのです。
私も強くなりました(大笑)
お話をしているうちに
会員、檀家を辞める決意をされる方がほとんどです。
自分の決意を確認したいのですものね。
それと背中を押してほしい。
「このお話は多いですよ」と伝えると
「そうなんですか、一人暮らしが増えているからですね」と言われます。
過去に数名の方には
「檀家を辞める事を先に延ばします」ということもありました。
それはそのご家族さんの環境の違いです。
私はほとんど聞くことしかしていませんが、お客様は思っています。
「自分の声を聞けば整理、確認できる」と。
お墓、檀家の問題はこれからも増えていくと思います。
なんか・・宗派別お寺ネットワークとか出来たら良いのにね、
そしたらもっと気軽に物事を解決してもらえそうな気がするんですけれど。
“個”である故に起きること。
この問題、
お釈迦様ならなんと答えてくださるのかしら・・と思います。
お金が絡むと・・残念ながら“人”なので。
どこかで何か、変わってくださらないかしら、と思っています。