老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

フロントに散らばる大量の黒いもの

ホテルの清掃は好きです。

会合がほとんどですが、結婚式もありますから、とっても華やかな空気に変わる日がありますのでそのみなさんの衣装や会話を聞くと楽しくなります。

 

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ホテルの清掃の一日の流れです。

私は共用部、業界ではパブリックというのですが、そのお仕事をしていました。

 

一日の流れですが、

 

早いホテルで6時~

だいたいが7時~8時近くです。

 

それから制服にお着替えをして、

一番最初にフロントの掃除をします。

 

フロントが一番早いのは

チェックアウトに重ならないためです。

きっと観光地によっては早朝チェックアウトをするお客様が多いところもあると思います。

 

それからエレベーター、フロント近くのトイレ、

カフェ、喫茶店・・(お店の人が行う場合もあります)

 

玄関の掃除、窓拭き、

ホテル外周掃き掃除。

環境によってはゴミの種類が全く違います。

 

ホテルの前が信号機でしたら、信号待ちをしている人達や車の窓から捨てられたタバコ等あります。

 

コンビニのそばでしたら、缶、ペットボトル、パンの袋、おにぎりの袋・・

「ゴミ箱で捨てて~」と思います。

ほら、中で食べると税金が高いでしょう?

それで、縁石に座って路上で食べるのです。

 

飲食が多いところでしたら、タバコ、食べ物・・と、

「ああ、食べ過ぎたのね、飲み過ぎたのね?」というもの(苦笑)

これは夏場に特に多いです。

ええ、暑くて飲み過ぎて。

 

ビジネス街でしたら、掃除をしたいのに、なかなか避けてくれない方達がおられるので困ることがあります。

「そこにあるそのゴミを取りたいのに・・・」

 

自然環境の豊かなところでは落ち葉との戦いがあります。

「この木の葉っぱ・・・」

「あの公園のあの葉っぱ・・・」

季節によっていろんなものが飛んできます。

45リットルのゴミ袋が2~3個溜まったりしますよ。

 

 

各階へ回ってトイレ掃除。

共用部の廊下掃除。

落ち着いてきたら支配人室、応接室、

職員さんのロッカー、職員宿泊室、シャワー室・・

 

あ、驚かないでくださいね。

数人でコースで別れて作業ですし、

小さなホテルなら面積の小さいので一人で行うこともあります。

 

そのホテルによって、

「ここはしなくていいです」と言われますし、

フロントとお手洗いと廊下、ゴミ回収、分別だけ、という簡単なところもあります。

 

 

大きなホテルでしたら、夜の作業もあります。

交代制でトイレ巡回。

これはトイレの点検とトイレットペーパーを補充のためです。

 

結婚式があるととっても忙しくなります。

参列者が多いですから、何度もトイレの点検に行きます。

 

ここで楽しいのはトイレの中での会話。

 

結構面白いです。

いずれ書きたいと思いますが・・(大笑)

 

 

どこのホテルにも共通していることは

携帯を持つことです。

この携帯で

「○階のトイレが詰まっています」

「電気が切れています」

「○○○が壊れています」と報告します。

 

そして当然、フロントから電話が来ます。

多いのは

「お客様のお忘れ物のお問い合わせ」です。

それと、

「○階の宴会場のところで・・・」というお電話。

 

ええ・・もちろん“食べ過ぎ飲み過ぎの方”がされる当然の肉体現象が・・

そのお片付けがあります。

 

 

 

あるホテルに仕事に入り、巡回が終わって、休憩をしていたときに先輩の携帯にフロントから電話が入りました。

先輩が

「フロントの前に大量の黒いものが落ちてる居るんですって」

 

ハンディの掃除機と袋とモップを持って急いでフロントへ行くと

 

あらぁ~~~~~~~~~~~~~~~

何コレ?

まるで石炭を粉々にして散らかした感じになっている。

 

触ってみると・・

ボロボロになってしまう。

先輩が

「これ、靴のかかとね」というので

「え?こんなんなるんですか?」と聞くと

「久しぶりに靴を出してきて、劣化していることに気がつかないで履くとどんどん砕けてこうなるのよ」

 

ひぇ~~

こんな風ではなくて本当にボロボロに砕けています。

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そしてエレベーターから従業員さんが降りてきて

「2階も、トイレもずっと黒いのが落ちています」

 

必死に掃除機をかけて、モップをかけてもこの黒の砕けた細かいのが取れない。

急げ、急げ、

他のお客様が来るまでに完了させないとマズイ、

エレベーターの中も、

ずっと2階のホールも

きゃ~トイレも黒いわ~~~!

 

従業員さんも必死に拾っている。

先輩が

「こんなに壊れているならきっともう靴の底はないわ」と笑っている。

 

 

「○○(部屋の名前)の結婚式、あと○○分で終わります」

 

きゃぁ~~~~

急げ!

 

そして完了。

従業員さんから

「ありがとうございます」と何度も言われますよ。

いやいや恐縮します。

みなさんがお手伝いをしてくれたから完了できるのですから。

 

 

靴は永遠にカタチをとどめてくれるものではありません。

劣化することを忘れずに。

一番良い靴ということでどうしても履かないでそのままにしてしまうのですが、それはとってもキケンです。

たまに履いては靴底に刺激を与えてあげましょう。

 

カタチ有るものには寿命があることを忘れずに。

 

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 そして女子トイレの汚物入れからかかとが無くなっているパンプスが出てきたのはいうまでもありません。

 

きっと一日・・靴のことで頭がいっぱいになっちゃったと思いますわ・・可愛そうに。