6月が終わり、
半年すぎたのね、残り半年ね、と思うのはほとんど薄い感情で。
なぜかというとこの暑さですべての感覚が“暑い”に使っているから。
真夏にストーブの前に座っているようなこの熱風。
普通の表情で仕事をするなんて、無理。
まして清掃のおばさんのいるごみ置き場なんて小さな窓しかない。
窓から入ってくる風に少しの涼をとれるだけ。
静かに水を飲む回数を増やしてとりあえず時間が経過するのを待つしかない。
「大きな扇風機を買ってほしいです」とホテルの先輩に冗談交じりに言うと、
「絶対無理」と言われたので、
「それならジモティーで私が扇風機を頂いて持ってくるとかは?」という提案もしてみましたが・・所詮、ここの現場は扇風機はもらえない。
理由は
今までそんなことはないから、と。
はい、昭和です。
無料でもらえたとしても電気代の問題があるので。
おばさんは倒れてもいいのかしら、と思う毎日です。
そして当然この小窓からは風以外に虫も入ってくる。
でもその虫の殺虫剤は買ってくれる。
・・なんなんだか。
話をもとに戻す。
6月はジューンブライドでしたが、この暑さ、そしても元々のコロナ禍、
結婚式の数も少なく、
参列者も少ない。
今までで一番少なかったのは7人。
もちろん二人だけの結婚式もありますよ。
静かでいいですし、
気を遣うことがまったくない。
緊張もしなくていい。
新郎新婦様とややこしい人間関係がないスタッフさんの純粋な祝福の拍手とお祝いの言葉で十分幸せを味わえます。
なぜなら結婚式のプロだから?
いえいえ、純粋に今この時間、最高の幸せでいる二人のお姿を見ると心がとっても素敵になれ、その気持ちを全開にして拍手ができるからです。
それと家族さんや参列者がいないと・・従業員も緊張しなくて心が自然に幸せだけを受け止められる時間になれるし。
残念ながら私たち清掃員はその場所には入れないので拍手や音楽だけはトイレから聞いていますが、やっぱりそれだけでも胸にじ~んと来ます。
そして清掃のおばちゃんからすると御式が終わって捨てられたゴミを見るだけでも
「あ~結婚式のゴミね」と思って幸せのお裾分けをもらっているような気持ちになります。
御式のゴミの内容ですか?
チャペルで使った造花の壊れたもの。
パーティー会場でふるまわれたプレゼントの包装紙。
プレゼントが入っていただろう段ボール、大量のお酒、ビール、ワインの瓶などですし、
生ごみにウエディングケーキが入っています。
結構な大きさのスポンジの台、そして重さたっぷりのクリームがゴミ袋に入っています。
もちろん台となる発砲スチロールも(苦笑)
そうそう、最近はフラワーシャワーとか無くなりました。
コロナの影響でしょうね。
最近一番多くても100人参列・・はなかったですね。
もちろん私が仕事をしているホテルは超巨大なホテルではなく、中堅の大きさですので、それでも200人は入れる会場もありますが、その人数の参列者のお式はありませんでした。
私たち清掃は、当日行われるイベントの計画表を頂いて、トイレ掃除やフロアーの掃除のタイミングを見て巡回します。
気を付けなければならないことは、結婚式をしている雰囲気を壊さないように、私たちは姿を消しながら掃除をすることです。
ですから、誰もいないな・・と感じた瞬間を狙って入ります。
たまたま花婿、花嫁の移動にかち合いそうになると、
すっと壁に張り付きます。
先日、ごみを取りに職員専用エレベーターに乗り込もうとすると、
あら、外国の男性とプロデュースの男性職員さんが乗っていました。
私も乗り込んで・・
そしてお二人の会話を聞いていました。
外国の方ですらっとして、〇色の髪でとても素敵な雰囲気の・・・
あ!今日の牧師さんね。
お着換えを終えて・・帰るところなのね、とわかりました。
普通に日本語を話していました。
聞いたことがあるけれど、日本語を話せるけれどチャペルで御式があるときはたどたどしい日本語で話すって聞いたわ・・と思いながら聞いていると、お二人は事務所の階で降りて行きました。
そして私はエレベーターを降りて仕事をして、またエレベーターに乗ると、今度は結婚式場の責任者の男性と従業員の男性が乗り込んできました。
お二人の最初の発言が
「今日の牧師・・・」
「あ~聞きましたよ」
「大遅刻してきて・・あいつ。良いお客様だったからクレームにならなかったけれど、どんでもないから、二度と使うな」
「当然ですよね」
え~!
一生に一回の大イベントの結婚式に遅刻!
はぁぁ?
あの人が(心の声)
それはいけませんわ・・・
きっと神様も心を痛めていると思います。
人生最高の愛を神様に誓う日です。
遅刻はいけません。
神様も天から見ておられるはずです。
神様を待たせてはいけません。
普段、とってもお忙しいと思うので(注~私は仏教徒)
人の時間を奪ってはいけません。
そして信用を失うようなことをしてはいけません。
ただこの日の新郎新婦、ご親族、参列者様の寛大な愛を忘れないでくださいね。
本来は牧師様、あなたが神様の最大の愛をみなさまに時間通りに注ぐのが使命なのですから。