老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

90歳両親の家の中。

両親が近所に住んでいる。

2人とも90歳を過ぎ、生活の介助をしなければならないのにそれができない。

もちろん生まれ育った実家なので今まで通りに実家に帰るという方針で行けばいいのだけれど・・

最大の理由が・・・・両親の性格。

お父さんはまったく人の話を聞かない。

会社を経営していたので自分が正しいと思っている“ザ・昭和”の精神。

お母さんはお金にとてもうるさくて下着が汚れ、穴が開いてボロボロになっても捨てず、ずっと着ている状態の人。

モノを捨てるとなると口だけ達者なので大ケンカになる。

 

その二人が90歳を超え、

体も動かなくなり、

家の中が大変なことになっている。

 

ごみ屋敷状態。

2人とも体の動きが遅くなっているのでトイレに間に合わない。

当然、下着は常に失禁していて、汚れと匂いで悪臭が家じゅうに広がり、玄関に入った瞬間から気持ちが悪くなる。

説明しても、当然普段の生活の延長で二人は暮らしているので

自分たちの正しい状況が理解できない。

元々娘、息子の言うことはまったく聞かない両親。

 

 

特に父親の方は尿意が過敏になっているので、

日中、夜ともに常にお手洗いに行く。

間に合わないので下着を汚す。

取り替える体力も判断も衰えているのでそのままにしている。

(そのままにしていると今度は皮膚の病気になるのですがね・・)

 

ベッドから何度も落ちているので柵を付けると、

今度は柵が邪魔らしく、それを勝手に外し、

またベッドがから落ちる。

ベッドがひどい汚れなのでシーツ交換をすると、

プライドに傷が入ったのかものすごく怒り始め、

家族ケンカに発展する始末。

 

たまに泊まって様子を見ると、夜中に何度も起こされるため、おむつを勧めても当然拒否され、

機嫌が悪くなるだけ。

ますます扱いづらくなる。

当然、一緒に住んでいる90歳の母親も全く眠れない。

母親は痴呆が進み会話がおぼつかなくなってきている状態。

 

同居を考えるけれど、すぐケンカになるので、それも気が進まない。

娘や息子にすると

「きっと自分たちの精神がおかしくなる」と気が付いている。

 

話を聞いているだけで、大変な家の中になっていることがわかります。

90歳でしょう?

普段から体力や筋力を鍛えている人ならまだしも、

普通の生活をしている人なら当然歩く道筋。

話をしている女性のご主人の実家です。

 

 

この状況のせいでご主人の機嫌の波が出て、

こっちの家の中もおかしくなってきていると。

 

 

身内のことってどんなに専門の人や経験者や他人が丁寧に

「こうしたらいいですよ」と説明しても

最初はなかなか受け入れられず、整理できないですし、まず行動に変えられないですものね。

“情”があるので。

親に指導、命令・・・と感じるので、行うのが抵抗があるみたいです。

何か変えようとすると

「今までのこと」がものさしなので。

その点 施設に入ると自分以外は全員 他人なので、

周りの目という緊張感が生まれます。

 

まして昭和の最初の方の人は最初はものすごい抵抗をしますけれど、

施設の人は自分の息子、娘より、若い人ばかりなので、

とても“優しく”

そして

とても“笑顔”で

“毎日のことをきちんとやってもらう”ということを入居されてきたおじいちゃん、おばあちゃんができるように計画を立て、それを遂行させます。

それがお仕事なので(苦笑)

 

失禁ても、

嘔吐しても

身内のように絶対怒られません。

 

怒ったら施設で働く人間としては失格です。

ですから怒られません。

この現実を知ってもらえたらどんなに施設が楽か。

 

でもみなさん、家が良いと言われますよね。

そうかもしれませんが、

きちんと掃除、洗濯、お買い物、用事を足すなど、できないと、他人は何も言いませんし、言い方に気を使いますが、

身内は遠慮なく、

「家が汚い」

「掃除をしていない」

「下着が汚れている」

「あれはどうなっているの?」

「病院は行っている?」

「前に言ったことことしている?」

「早く歩いてよ~私忙しいのに」

等、日々、注意、そしていろいろ今まで言われたことを含め、感情を込めて怒ります。

(「年を取ってから子供たちに怒られてばかり」と言う悲しいご相談もあるので)

 

そして余程老後の体、精神など理解できている心が広い優しい身内なら大丈夫ですが、

わかってもらっていない身内には確実に嫌がられます。

(いずれみんな通る道なんですけれどね)

 

 

それどころかイライラが募って自分の家族に愚痴ったり、ストレスをぶつけたりする人もいるので、

息子、娘の家が破壊、崩壊するところもあるのです。

 

訪問介護、看護などの友達に聞いてみると、

「みなさん同じ」と。

そして

「やはり本人さんがたくさん愛を回りに与えている人はちがうよね」と。

つまり

『愛し、愛されている人は老後にも愛がある家族』ということ。

 

そう思います。

私は若い時に祖父母や親で経験してきたので。

それは施設に入った時も同じで、

『職員さんに愛される入居者さんは幸せな日々を送れる』ことを見てきました。

 

老後になればなるほどその人の今までの人生の色が出てきます。

私も、看護、介護の友人も

その色は自分次第で変えられると思っています。

 

自分の家で一生を暮らしたいのであれば最後まで自分できちんとできるようにすること。

周りで何かしら言われたら、すなおに言うことを聞き、

「できなくなったのね」と受け入れ、

心を痛めるけれど、でも自分の状況判断をしてくれているのよね、と思えるようになること。

気が付いていないことを言われたら、

「もうそれはそれでいい」という覚悟を持てること。

 

息子、娘とは時代が違うのでモノの見方、価値観が違うので言われ方も違うと認識しておくことが大切です。

 

 

 

このお話を聞いている途中から

断捨離と整理能力、判断力は常に鍛えないといけないわ、と思いました。

そして当然、筋力アップと。

 

 

90歳ね・・

あと30年。

いやいやきっと体は超しんどいでしょう?

当然お金も。

 

なんとかここ数年で90歳でも楽に生きれるように

心と体、

周りとの縁など、いろいろ準備しておきたいと思います。

コツコツ頑張るわ、私。