ファッションビルの清掃。
若者から落ち着いた年代までのオシャレが満載。
どの方向を見てもオシャレ。
目の保養になりますし、気分転換になります。
ただ、自分の清掃員の姿がガラスに映ると思わず身なりを整えたりしますが(苦笑)
疲れた清掃おばちゃんには見られたくないのでキチンとトリートメントをするようになりました。
ああ、ファッションの刺激って素敵。
でも着こなす身長体型と、予算がないので“見るだけ〜”ですが。
清掃員は開店前からテナント内、ホール、通路、トイレなど巡回清掃します。
夜になってもそれは続き、大きなテナントビルになると夜中にも掃除をしています。
レストランなど飲食店が多い場合はなおさら掃除がかかり、トイレットペーパーが無くならないようにぐるぐる回ります。
神経を使うのは…特にオシャレが凄いお店のガラス。
手の跡なんて許せません。
ピカピカの状態にします。
そして…神経を使うのは…
お店の空気がピリピリしているところ。
お客様がいるときといないときでは全く違うわ〜と思うところがあります。
と、その日によって出勤者が違う時。
あ〜今日はメンバーがいいのね、とか、
店長いないのね、とわかります。
私、空気が読めるので(大笑)
早い話がお店の人間模様がくっきり出ます。
先日の話。
バックヤード(お店の裏側の倉庫、商品置き場)で掃除をしていると、一人の女の子が泣きながら走ってきて、端っこにある机に向かって座り、わ〜っと声を出しました。
あ…あのテナントの…あのブースにいる子ね、とわかりましたが、
「大丈夫?」と駆け寄っていいものやら。
清掃のおばちゃんですからね…
トイレならまだしも、ここはバックヤード。
おばちゃんのテリトリーではない。
わんわん泣いているので、慰めてあげようか…と思っていると、先輩の女性が来ました。
「言いたくはなかったけれど言ってしまいました」
と、また泣く。
店内に出て清掃をしていると一人の先輩社員が荒々しく服を並べています。
あ〜この人ね、
気が立ってる空気感
実はこのお二人、
気が強い。
泣いている若い子はお客様に対して丁寧さに欠ける。
物腰が…硬い。
一方の先輩は仕事はテキパキ、説明もさすがに柔らかい。
しかし、
「そうなのね」
「それもあるわよね」など共感しない。
互いの心のクセのまま、
仕事という直線的な発言が“できる”と勘違いした状態で会話するので当然“自分が正しい”と強く押し込む。
どこにでもある女性のケンカ。
おばちゃんから言わせると、
「仕事なんだけどね。やることを互いしたらいいだけなんだけど感情で話すからこの結果の形になるのよ」と言いたい。
あ〜言いたい。
互いの言葉で傷つけあってできた人間模様が周囲を巻き込む…
なんてない。
ええ、一人しか来なかったし、
何事も無いような
“関わらない”と言う人間模様も出来上がる。
意見も大切だけれど、
その前に
互いの意見を一度手のひらに乗せて眺めて見たらいいのに。
ああ、こういう考え方もあるのね、って。
なぜこのお店で働きたい、と思ったか思い出して欲しいわ…
服が好きで、
ファッションが好きで、
接客が楽しくて…がほとんど。
そして、
誰だって最初に必ず想ったこと…
それは
「みんなと仲良く仕事できたらいいな」と言うことを。
最初の時のシンプルできれいな心の模様を思い出して欲しいな…とおばちゃんはモップを持ってバックヤードから静かに立ち去るのでした…