ここは大阪。
早朝からお仕事へ向かう人達が乗る地下鉄であり、大阪の大動脈と言われる赤い色がついた御堂筋線。
同じ時間に電車に乗る人達の待合室での会話。
そして、電車が到着。
いつもの場所から乗り込むと…
ん?
カレーの匂いがする。
朝カレーを食べてきた人がいるのね?
いや、
匂いが濃すぎる…
ん?
誰?
この匂いの発生源は?
座席に座り、
キョロキョロしないように静かに車両の中を見渡す…
すると…
一人男性が眠りに入って前のめり気味になっている。
その服装を見ると、
Yシャツにズボン…
ん?
顔が…半分…カレーにまみれている。
カレー??
もちろん頭の後ろまでカレーのルーが付いている。
と、
何故かシャツがインクのような黒まみれ。
どこで、
何をされたの?
あなた。
どこで転べばカレーがそんなに大量に付くの?
想像して見た。
マンガの世界でたまにある、
昭和の飲み屋さんの路地裏。
店と店の間にある生ゴミ置き場がある。
カレー屋さんが使ったか、
捨てたかのカレーが入った生ゴミのバケツの横に寝そべってしまい、
バケツが転がり、
そのまま彼は深い眠りへ。
もちろん黒い汚れいっぱいの地面。
多分その状況下での睡眠。
それにしても…見事なカレー色と、
ヘドロの黒色。
あの…
きっと帰巣本能はあるから帰宅は可能と思うけれど、
お財布大丈夫ですか?
と、心配になる。
見失ってはいけないのよ、自分を。
とにかく自宅までは自制が必要なのよ。
でないと…
万が一、会社の人に見られたら、
信用が一瞬で無くなるのよ。
自分をお酒で開放したつもりかもしれないけれど、
それはお酒の“気”に乗ってしまったことで、
一時の開放感だけなのよ。
現実と、
開放感との差が開けば益々飲みたくなるのよ。
失うものの大きさと、
自己を大切にする意味を正しくわかってほしいわ…