老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

凹む、凹む、悲しくなる

清掃現場で働いていて、バッグヤードで道具の整理をしていると、60代の清掃の女性が来たので、

「お疲れ様〜」と声をかけ、ふと見ると…

トイレットペーパーがちらっと見える。

ひらひらしているあの感じ。

う、これはまさかの…

 

ペーパーの端っこを持ち彼女にすぐ

「これ、付いてきてますよ」と話すと彼女、慌てる…

ええ…トイレットペーパーの端っこを清掃ズボンに引っ掛けたままココまで来たらしく…

ひえぇー!

すぐ様、ズボンからペーパーを出して、トイレまでの道のりを確認。

大丈夫。

良かった、良かった、

誰にも見られなくて…

でも彼女…凹んでいる。

 

「こんな年になったのね…」

 

一回だけ30代の女性が公衆トイレで…を見たことがある。

今までの人生で私も自宅でやったことがある。

どうしても“加齢”の方向の捉え方になるから凹む…

解る、解るの、私も凹んだんです…会話。

 

そして背中をパン!と叩いて、

せっかく忘れる機能が発達してきているから都合の良くない事は忘れましょう、と話して現場へ戻りました。

 

 

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知人から

「パンフレットを封筒に入れる作業があるので手伝ってほしい」と頼まれ、行きました。

一人でパンフレットを一セットづつ積み上げ、それを封筒に入れるのでマイペース。

 

作業が一つ完了して…数を合わせると…

一種類ごと、1枚ずつ、2枚足りない。

 

さぁ…ここからが問題。

次の作業は封筒を閉じるので、自分で数を確認できる。

 

すると…しばらくして私の隣の50代後半の男性が

「僕です」と発言。

「良かったですね〜あともう一枚ですよ!」と話しました。

そしてしばらくすると

「すみません、また僕です」。

その横顔を見ているとじ~~っとパンフレットを見ている悲しい姿。

うう・・それって落ち込んでいるわよね?

きっと自分じゃない、と思っていたから余計に落ち込んでいるわよね?

 

彼はじばらく固まっていました。

それからふっと天井を見て、やっと動き出しました。

 

「終わりまであと少しですから頑張りましょう」と声を出して、私は手をを動かすスピードを速めました。

 

そして作業が始まって5時間。

無事完了~~~~~~~~~!

 

「お疲れ様」

「お疲れ様でした」と言ってみんなで笑顔になりました。

あ~よかった。

凹んでいた彼の顔を見ると、少し戻っている感じがわかります。

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40代後半と60才の人との会話。

60才の人が質問をしているのですが、それに対して

「そうじゃなくて」から始まって

「それって当たり前じゃないんですか?」と言っている。

少し間が空いて

「そうなのね」と静かに言うと40代後半の女性が

「当たり前ですよ。これはこうで・・」と話してくれているのですが、60才の人の顔色が変わっていることに40代・・の女性は全く気がついていない。

 

その話の仕方を聞いていると、時代が変わっていることを普通に言っているつもりですが、聞いていて「この40代・・の子キツイ」とすぐ解るような話し方。

60才の女性はもう話しは聞いていない。それがすぐ解りました。

 

正しいことを言っているのですが、あまりにも「自分が知っていることを誇示しすぎ」。

言葉の温度がキツイのが気がついていない。

普通に話すのならまだしも、年齢の上の人に

「知らないんですか?」と

「それは間違っています」の時代遅れを指摘しすぎるのは50代以上の「時代からずれてきているの私」を“薄すら”感じている人達に対して言うと、相手を怒らせるか落ち込ませるか・・

 

結局、60才の女性は

「私って何も知らない人なのかしらね・・」とポッといい、落ち込んでいました。

 

“知らない”という不安と

“聞きたいけれど、聞いて良いかしら”という遠慮があってやっと勇気を出して聞いたのに、キツイ言葉は心に刺さる。

 

私はその彼女に

「いろんなことは知っているかも知れませんけれど、人の心を知らない人が一番悲しいですね」と静かに話すと60才の女性は

「そうね、私も人に話す時に気をつけるわ」と言われました。

 

 

年を重ねるということはいろいろな不幸や苦しみ、悲しみを越えてきているのです。

普通に笑っていたとしても心の中は過去の傷が多いのです。

 

老後に対しての不安という見えない荷物も増えていきます。

 

人には優しく。

人の心の荷物が増えそうな時にそっと手をさしのべて一言

「同じ気持ちを味わっていますよ」と伝えてあげましょう。

 

一人じゃないということを。