先日買ったブラウスとパンプスを履いて、鏡の前でご挨拶練習。
久しぶりのシャキッ!と感。
背筋が伸びるわ。
たまにこういう服を着なきゃね。
そして早めに家を出て、
面接場所のそばまで行き、軽く建物の下見。
このぐらいの規模なら体力はそんなにかからないわ…と確認。
まちあわせ5分前にビルへ入り…
会社の入口の女性に
面接のアポイントの話をして、そしてロビーでまちあわせ。
周りと天井を見上げて、さすがに都会のビルは違うわ、と苦笑いをマスクの中でしながら漂う空気感を吸い込み、体になじませ緊張という張り詰めた色を薄める。
ん?
隣のソファーにこのビルには服装の感覚の違う女性が落ち着かない様子で座っている…
ここは知っている人は知っている(当たり前~)この辺りでは意味がちょっとハイクラスを表現しているビル。
見た目ではそういう風には見えないんですけれどね。
誰かとの待ち合わせかしら?
それにしても…担当者さんが来ない…
来ない…
来ない…
まぁ清掃のおばちゃんの面接なんてこんなものよね。
来ない・・
そしてやっと一人の年配の男性が来て、
「面接の方ですね?」と聞かれたので返事をすると、となりの女性も同じく返事をしましてね。
あ~
同じ日に面接ね?とわかりました。
そしてですね。
なんと、
「二人同時に面接します」と。
え?
はぁ?
この時代にですか?
プライバシーは???
昭和の人だから仕方がないけれど。
仕方ないと言ったらよくないかもしれないけれど、
でもね、
この時代のプライバシーってどうも思っていないのね、
残念。
そして通された場所が、
え?
このお部屋を使っていいの?という特別室。
とってもとっともハイクラスの方、例えば会社の偉い人とか重要な人が急に来られた時に入るので、靴跡のへこみも絨毯に残さないように下がりながらお掃除をする場所。
そしてもちろん人の匂いも形跡も一切残してはいけないところなのに。
私がもしこのお部屋の責任者なら、
絶対人は入れない。
頼まれても使わせない。
掃除をした後に絶対人は入れない。
そういう意味の深い場所なのに、
「ここは今使っていないから~」と平気で言われたので、
この男性、あんまり清掃を知らないのかしら?と思いました。
女性ってわかるんですよね。
家に帰ってきて
「あれ?誰か一回帰ってきた?」とか、雰囲気がすぐ感じ取れる。
そして二人同時に面接。
だから困ったものです。
聞きたいこと言いたいことが言えない。
この面接の男性は自分が聞きたいことを聞くだけで、
目の前の二人の女性の性格を知ろうとしない。
質問の内容が単純。
そして肝心、要のしなきゃならないことの一つ、
“目を合わせない”
もう一人の女性の質問に対して、きちんと回答していない。
彼女は自分が希望しているシフトのことを聞いているのに、彼はその解答をせず、
「うちは〇曜日と〇曜日に来てもらいたい」という言い方。
う~ん、違うと思うな・・
私なら、
「ご希望の曜日はわかりました。今、その曜日はほかの人がお仕事をされていますので、その方と調整するお話になると思います。
わが社としては、〇曜日と〇曜日のお仕事ができる人を希望しているのですが、
どちらか一つでもお仕事をしていただくことは可能でしょうか?」と聞くけれど。
違うかな~
清掃のおばちゃんでも相手を重んじる会話をするのが“大人”と思うのは古いのか、古臭いのか、はたまた時代遅れなのかなぁ?
その女性と面接の男性の会話を聞きながら、この男性の周りの人はお仕事を進めていくのが大変、と清掃のおばちゃんの感覚でも思うのでした。
・・一方通行だもんねぇ、彼。
私への質問が始まり、
彼女と同じ内容。
もう面接はたくさんしてしてきたので、何をどう答えると採用されやすいかもお手の物。
その本も書きたいぐらい(大笑)
本の題名は
「70歳を目の前にしても面接を合格する方法」(仮)
・・かな?
あ、サブタイトルは
「清掃員に定年はない」
とか
「現役で80歳越えはありうる世界」
とか、
「ボケないために清掃員になろう」
とか。
想定問答集は完全にできているのでそれも本に書きたい(笑)
その問答集そのまま回答。
あとはこの現場ならではのスパイスの聞いた回答を用意するだけ。
え?
その現場で働いたことがないのに、そんな回答ができるの?と思うかもしれませんが、
人って同じ環境の下で働いている人は不思議に同じような質問をされてきます。
私のように派遣登録をして、
あちこちの現場に入っていた者ならなおさら。
現場担当者さんが何を聞いてくるのかももうわかっていること。
たま~にイレギュラーがありますが、
それはそれ相応に年齢を重ねていますので回答できます。
面接が終わり、
建物の外まで面接の男性がお見送りをしてくださいました。
建物の角を曲がる手前で私がふっと後ろを振り返ると、
面接の男性がビルの中に入って行くのが見えました。
「あら・・残念」と私が小声で言いました。
ビルの角を曲がってから一緒に面接を受けた女性に私が、
「お疲れ様でした」と明るく言うと、
「お疲れ様でした」と彼女も言いました。
そして
「さっき何か言ったけれどどうしたの?」と聞かれたので、
「え?わからなかった?」と聞くと
「うん」と言ったので、
「普通はビルの角を曲がったり、相手が見えなくなるまで玄関に立っているものよ。
ビジネスマンなら同然だし、ホテルマンもそうだし、
病院の玄関先のお見送りもそうよ。
そして当然エレベーター前なら扉が閉まるまでご挨拶よ。
今日の場合、途中で私たちが一礼することを想定していなきゃならないから、さっきの角を曲がった最後まで見ないと。
それが彼の日々の仕事の中の礼儀だしね。
やっぱり清掃のおばちゃん相手の面接でも、ちゃんと最後まで面接の態度は見るものだと思うし、面接している人もされていると思わなきゃね(笑)」と言いました。
彼女は清掃の経験はあるけれど、ここの場所のようなハイクラスの場所の清掃経験はないお話をしていました。
私は億ションやハイクラスホテルも経験済みなので、住人さんとのご挨拶、礼儀、お客様の顔を覚えてご挨拶、会話の程度なども知っています。
(派遣会社さん、ありがとうございます。感謝)
「あなたはきっと合格するわ」と彼女が言われたので、
「たとえ合格したとしても、もう一度ここにきて確認しなければならないことがあるわよね」と話すと、
「何を?」と聞かれたので、
「彼、私たちに肝心の話をしていないわよね」と言うと
「え?わからないわ」と言うので
「彼ね、仕事の話はしたと思っているけれど、仕事の内容は一切していないの。それわかった?」というと
「え?清掃って、掃除じゃないの?」と言うので、
「普通ね、清掃の面接に行くとね、内容を教えてくれるの。
それもきちんとした会社ってね、仕事の流れを書いたものを見せて下さったり、道具の重さや動きなども教えてくれるところもあるのよ。今日みたいなこの場所なら・・」と言って具体的な説明をしてあげました。
「え~そうなの」と驚く彼女。
「うん、立派な会社ってね、清掃員さんの体力や健康、そして、必ず“こういうお仕事ですがよろしいですか?”と聞いてくれるの」
「へぇ・・・」
「あの面接の男性はこんなこと(内容は内緒)を言っていたわよね」とさっきのお話の一部を話すと
「うんうん、言っていた」と言うので、
「きちんとした会社ならこんな風にいうのよ」と言って、ある会社で働いたときの面接のお話をしました。
「そんなに面接の中身って違うのね」と言うので、
「何に重きをもって会話、質問しているのか違うでしょう」
「うんうん」
「つまり、質問の内容はその面接の人の感覚なのか、会社の体質なのかがわかりづらいけれど、もしわかるとこっちも未来が予想しやすいよね」
「うんうん」
「とくに清掃って体が大切だし、年齢も上がるとしんどくなるから、未来を考えて会社を慎重に選んだ方がいいわよ」と言うと、
「わ~ありがとう~」と言われました。
そして、
合格しても必ず確認しなければならない項目を教えてあげました。
これがクリアーできないと長く働けないということです。
妥協すると・・しんどいですよ。
意外と気が付かないことですが。
もっと役に立つ細かいことをここに書いてあげたいけれど、ごめんね。
今回の面接の会社ですが、
合否の結果をいつ回答するかを伝えては頂けませんでした。
もちろんこちらから
「いつですか?」とは聞いていません。
会社の体質を知るために観察することが必要ですので。
完全にこちらのすべてを条件としてくれる素晴らしい会社って見つけるのは大変です。
多分ありえないでしょうね。
ですからなおさらのこと。
自分にとって譲れない条件はしっかり持つことです。
と、清掃の場合、面接をされた方と一緒に働く方が違う場合が多いので、必ず現場の人に会えるようにしてもらいましょうね。
入ってからでは手遅れなので(苦笑)
その会社にもよりますが、
面接の時は面接担当の方のほかに現場責任者さんがおられるのが通常です。
そうですよね。
私が現場の責任者なら当然ですものね、今のチームワークの中に入ってもらえるかな?が最優先ですものね。
それと、仲間に会ってもらいますものね。
「どう?」の意味合いを込めて。
そして合格した場合、面接担当者さんから
「来てもらえますか?」と面接合格メール連絡や電話の時に
「みんなで待っています」と責任者の私からの一言添えますものね。
今回の場合、面接担当の方だけでしたから、現場との兼ね合いがわからなかったので、やっぱりたとえ合格したとしてもあと一回は行かないと、です。
とはいえ、合格したかしら、私(大笑)
でもお話していた条件をそのまま受け入れられる人って少ないから、きっとその人が見つかるまで合否は保留にしそうだわ、というのが私の今までの経験上の想定です。
次の面接の準備開始ね(苦笑)。