人はいろいろな問題に立ち向かうことが多い。
それも会社で起きたことは特に気を付けて対処しなければならないですし、
自分でできないと思ったときには人を頼って解決しようとする・・・
その時に“たまたま”そばにいた、とか、
その解決方法を一緒に手伝ってくれる人を判断し、声をかけることを行う・・
派遣の時のお話である。
とある中堅の清掃会社で働き、数か月過ぎました。
少しずつ働いている人達の顔と、
(柔らかく言うと)愛嬌を覚え、冗談も通用してきて笑いも取れるようになったある日のことです。
ビルの防災センターでちょこっと上の立場におられる60代の男性が、ロビーで掃除をしている私に向かって手招きするので、
はい?の状態で防災センターに入ると、
「お願いがあるのだけれど」と言われるので聞くと、
「これから会議でね。でも眠たくてたまらないから平手でほっぺたを叩いてくれないか?」と。
「は?」
あっけにとられる私。
そんなことこの人生で頼まれたことがない。
「ここ、ほら、ここ」と言いながら男性は自分の頬を指さしている。
そして私の手が届くように少し体をかがめてくれている。
確かに心なしか目つきがぼ~っとしている。
え?
叩く?
平手打ち?
テレビではドラマで女性が男性を叩いているのを見たことがある世代なので、まぁやり方はわかっているけれど、
実際は・・できるかな?
いやいや、これは断る案件でしょう?私。
「お願い。会議で寝るわけにいかないんだよ。社長も参加の会議なんだよ」とせがむ男性。
まぁわかるけれど。
ここ・・防災センターで天井に監視カメラがあるんだけどねぇ・・
少し考えた。
ご希望どおり平手打ちをしたとするでしょう?
そうするとこの男性が目をさますでしょう?
会議に行ってもしっかり会話できるし、社長さんにも何もいわれないでしょう?
あ、頬が赤くなるか・・・
いやいや違うでしょう?(苦笑)
でも事情を知らない人がどう見ても、掃除のおばさんと防災のおじさんが不倫して、
それで私が裏切られてとかで怒って平手打ちしているみたいな現場にしか見えないでしょう(大笑)
監視カメラの方向を見直して、
そして答えを出した。
「暴力を振るっているように見えたら困りますので今日のところはご勘弁を。
もしくは他の方に依頼されてください」と丁重にお断りをさせて頂くと、
「ダメかぁ・・」と残念がる男性。
きっと本人は名案だったのでしょうね。
意外に私、断るまでの時間が結構かかったかも(笑)
ちなみに、このお話。
令和のお話。
でも話に出てくる私とその男性は昭和の人。
そして男性は眠いまま会議場所へ行きました。
その後ろ姿を見て、
「ごめんなさいね」という気持ちと
「何か一言いって、ドキッとさせて目を覚まさせるとか・・芸がなかったのかな?私」と反省をしていました。
あなたならどうします?
ペチッとか叩いてみます?
何か答えありますか?
それか何か一言いって、目を覚まさせます?
その一言、なんと言いますか?
う~ん・・まだその一言の答えが出なくてむずむずしている自分がいます。
ドラマみたいに軽快に答えたかったわ・・・