老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

清掃おばさんは外周で叫ぶ。

暑い!

言わなくても日本全国、いや世界中暑い。

エアコンがあるところ以外は全部暑い。

 

それとエアコンがあっても人がいないという場所は節約という大義名分があるので、エアコンを入れてくれない。

 

とくに電源を切られたトイレや、

ゴミの搬入口、清掃員が一番滞在している場所はきっと建物の中で一番暑い。

 

会社に何回も

「扇風機ぐらいはほしい」と話しても返事がない。

 

今は令和4年。

昭和の根性の時代ではないのに。

なぜ耐える。

 

昭和の私たちは、書類を書くときに

生年月日の〇を付ける時、

明治、大正、昭和があって、

明治の人って今いくつ?ぐらいの気持ちだったけれど、

きっと平成の人たちからみたら

同じことを“思われている”と思う。

 

改めて言おう。

今は令和4年。

昭和の根性はやめてほしい。

 

ゴミ収集場の椅子に座り、

小さな窓から流れてくるかすかな風に感謝し、

冷たい水を自動販売機から購入して、

とにかく飲む。

え?冷蔵庫は?と思うでしょう?

そばにある冷蔵庫は清掃員は使えない。

・・ってなんなの?と疑問。

 

よく倒れないで仕事をしているわ・・

 

先輩は

「慣れたわ」と言うばかり。

・・そんなことを言っているから、働きに来た人がみんな辞めていくのに。

 

 

一番きついのは建物の外周の清掃。

葉っぱはもちろん、たばこのポイ捨てがある。

夕方の涼しくなった時間帯から始めればいいものを、トップレベルの暑さの時間帯で掃き掃除をする不自然さ。

 

ほかの清掃会社からの話では、

あまりにも暑いので首からぶら下げる扇風機の使用が許可されたということ。

 

え?

私のこの現場は?

・・ないか。

先輩が

「慣れる」という限りで何も上には話してくれない。

・・慣れるか~そんなもの。

毎年暑くなるんだもん。

地球温暖化ってそういうことなのよ。

 

 

で、考えた。

試しに先輩に

「イチゴのシロップがかかったかき氷が食べたいです」と静かに真顔で言った。

 

 

 

すると先輩も

「私も」と言われたので、

「もし食べないでこの場所で倒れてしまったら死んでも死に切れません」と言った。

 

 

・・で、先輩、どう出る?と思っていたら、

次の日、

アイスクリームを買ってきてくれた。

気持ちは通じた。

とってもありがたいと思ったけれど、

・・そっちか・・・

そして次の日、私は冷たいお茶のペットボトルを先輩におごった。

単なる一時しのぎか…

 

そして少し過ぎてから

「風が少ないから・・やはり扇風機が欲しいですね」と言うと、

その次の日

「これを持ってきたわよ」と言うので見ると

団扇を私に渡してくれた。

 

ありがたいけれど、

そうじゃない。

私が伝えたいのは・・

違うのよ。

耐え忍ぶ方法を選択してはいけないのよ。

 

私がこの現場に配属されて、周りをだいたいわかるぐらいになったころ、

清掃員が使っている椅子のお尻があまりにもぺっちゃんこだったので、

先輩に事後報告にすることにして、

この会社で働いている人で話がしやすい人を見つけて、

「すみませんが・・使っていない椅子がありませんか?清掃員の椅子があまりにも悲劇的な姿になっているので」と悲哀を込めて説明すると、

「あるよ~」と一つ返事でフカフカのお尻の感覚の椅子を2つもらえた。

 

そして後日先輩が来たので説明するととても喜んでもらえた。

もっと“今の時代”を感じて環境を変えてほしい。

 

う~~~耐えるなんて、

耐えるなんて、

そろそろストレスが溜まってきているわ、私。

 

そしてとうとう・・

外周を一人で掃除しているときに、周りを確認しながら

「ど~~~なっているんだ~~」と叫ぶ。

(そろそろ辞め時か…と薄っすら自覚)

 

ちなみに私が働いている現場は飲食店があり、

喫茶もあり・・

もちろん大きな冷蔵庫、冷凍庫もあり、

生ゴミを見たらこのビルで何を食べられるか知っていて…

たくさんの人が出入りしていて、

仕事の途中でコンビニに行ってアイスを買ってきている会社員さんを多数見ていて、

私達の前を挨拶をしながら嬉しそうに通過していく。

あ…アイスを持ってる人もいる…

もちろん、私達はコンビニに買い物…なんてありえない。

 

それなら頼むわ、

扇風機をなんとか。

それが無理ならかき氷かアイスを恵んでほしい・・(大願)

暑さで倒れないうちに。