老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

タクシードライバーは若かった。

時間配分ミス!

なんてことなの。

普通に電車に乗っていける計算で、

予定より30分は早く行けたはずなのに(焦)

このままでは間に合わない。

マズイ、本当にマズイ。

 

仕方ない、多少の出費があるけれど、

タクシーに乗るしかない。

 

待つこと数分。

来た~!

(アプリで呼べがいいのにね、と後で気がついた☚こういうのが加齢なのよね)

 

運転手さんがこっちに気が付いて車を止めてくれた。

 

乗り込む。

ルームミラー越しに会話。

あら、とても若い。

 

 

「ここ、スピードを出す場所なのでなかなか車が止まってもらえないんですよ」と言うと、

「お客様の目が合いましたし、本気で乗る人の目は違いますからわかりますよ」と言われまして、

「ええ、本気です!」と言い、二人で笑いました。

そして、

「お姉さんはどこまでですか?」と聞かれ

ほぉ~お姉さんと言っても大丈夫と思えるような、お客さんを見分けるのも早い人ね、

普通はお客様と言わないと怒る人もいると思うけれど・・

と思い、行きたい駅名を言って車がスタート。

「お買い物ですか?」

「いえいえ、歯科です」

「遠いですね」

「先生が異動されたのでついていくことにしました。

推しだったので」と言うと、

運転手さん笑う。

「イケメンだったのですか?」と聞かれたので

「いえ」

「そこではなかったんだ(笑)」

「はい、私もそこではなくて腕推しです」

運転手さん笑う。

「ほかの先生からも推されていました」

「へぇ」

そして、

「本当はぐるっと回ってその駅に行く予定でしたが、時間配分を間違えてしまいましてね、それでタクシーでショートカットをすることにしました」と答えました。

 

駅までの道順をどうするか聞かれたのでこの土地に二十数年住んでいる私は

こっちのここで曲がる、

このままだと信号に当たるので、これを右に・・云々と完璧な最短距離を伝えました。

 

「お姉さん、運転手並みに道路に詳しいですし、お話面白い方ですね」と言われ、

「そうですか、ありがとうございます。昔いろいろな人と話しましたからね。きっと鍛えられたと思います」と言うと、

「僕もこの仕事をして6年になりますが、いろんな人と話をして、とても楽しいし、勉強になります」と言うので

「お若いのにもう6年ですか?」と言うと

「今年で28になりました」と。

 

あら、そういう人生もあるのね・・と思っていると、お母さんの年齢は私のちょこっと下ですし、おばあちゃんのお仕事は私の前のお仕事と一緒でしてね、

「一緒ですね」とは言わずに、ずっと彼のお話を聞いていました。

 

 

駅に到着。

「私のタクシー乗車歴で過去最高にお若い運転手さんでしたよ」と言うと

「ありがとうございます。そういわれると嬉しいです」と言われました。

 

それから清算を済ませ、車を降りました。

 

 

28歳の自分を思い出し、

あの時は仕事まっしぐらで

体がいつ壊れてもおかしくないぐらい働いたり、

人って深いわ・・と思ったり、

とても大変だったけれど、

大変だったことを超えて、学んだことは大きかったでしたね。

 

 

 

経験こそ 大切な宝ですよね。

(しみじみ)

 

 

これからも良いお客様とのご縁で

楽しいドライバー人生を続けられますように・・

と彼のお母さんの気持ちになりましたね。

 

道を歩くたびに彼の顔を追いかけそうです。