老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

よこのり

趣味の集まりで久しぶりにあった70才の男性とおしゃべり。

顔色も良いし、

とてもツヤツヤで、

服装もきちんと張りのある襟をしたポロシャツを来ているし、

数ヶ月前の時と全く違う雰囲気をまとっている。

 

お子さんがおらず、奥さんと2人ぐらし。

ある日、

朝、目覚めたら隣に寝ていた奥さんが冷たくなっていて、

何回も名前を呼び、

強く抱きしめたけれど温かくならなくて、

全てが空っぽになり、

それから十数年・・と周りから聞きました。

 

ご飯はほとんどお弁当、

掃除、洗濯物どうしていますか?ということがすぐわかる感じの一人暮らし。

 

あまりにも身なりがひどいので、

周りの人に、

「私、介護やお家訪問などをしていたので、友達と組んで彼のお家に行こうかしら?と思っているのですが」と聞いてみると、

「やめておけ、ゴミ屋敷だから」

「俺も見たことがある」と言うのを聞いて、

人って…冷たいな、

自分だっていつこの男性と同じ目に合うか解らないのに…と思い、

一回でもお手伝いをしてあげたら、生きる気力でも湧くのに、と思い、

人のお世話が好きな友達に声をかけ、

「行く行く〜」と快諾してもらい、

それから本人に

「30代の可愛い友達とお手伝いに行きますよ」と直接聞いてみると、

「大丈夫、俺、なんとかするから」と言って、

これからコツコツゴミを捨て始めた、と人伝てに聞き、

 

その後、心臓発作で倒れ、

入院、即手術。

落ち着いてから面会に行き、

「今日退院なんだよ」と。

「早いですね、良かったですね〜」と御見舞を渡すと

「開けていいかい?」と言われ、

「どうぞ」と言うと、

「助かった。実は退院で精算額を見たら現金が足りなくて、下ろしに行こうかと思っていてね、

ATMまで遠いから困っていたんだよ。そして貴女が来てくれた。

これで足りる。

本当にありがとう」と言われた。

 

近県にいる親戚、家族さん、どうしたの?

先生やスタッフに挨拶に来ないの?

 

心臓なので、

「お手伝いに行きますよ」と再度声をかけたら、

「大丈夫、運動のつもりだから」と言われた。

 

あれから数年、会うたびに心配していました。

そして

「何かアルバイトはないかな?」と言っていました。

 

 

お互いに今のお仕事を話していると…

「よこのりしてるんだよね」と言われたので、

よこのり??

自転車の後ろに女の子を横にして乗せるとか、

浮かんできたのはハーレーダビッドソンの横についているサイドカーに乗るとか…

 

「?」の顔をしていると、

「宅配トラックの運転手の横に乗って、駐禁にならないようにしているんだよ」と。

 

「あら、そんなバイトあるのですね」と言うと。

「うん、大阪市の最低時給だけと、荷物運びもないし、楽だよ。

運転手さんとの相性もあるけど僕は大丈夫」と笑顔で話している。

 

良かった、良かった!

毎日の張りもあるし、

万が一、倒れても誰かが気がつくし、

出勤してこなければ、当然、会社が何らかの方法を取る。

 

配送会社のシステムを教えてくれたり、

最近の彼の周りの話をしている間も笑顔が絶えない。

 

 

前からスマホのあれこれ機能を聞くと答えられないことはないぐらい詳しい人で、

若い子たちと普通に「今」を会話できる。

アイドル推しもしているし。

 

天国いる奥さんへ。

心配は絶えないでしょうけれど、

楽しく生きることを忘れていない御主人ですから大丈夫ですよ、伝えたい。