老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

死を迎える人とそのお友達に・・・

加藤さん(仮名、80歳、女性)から

吉田さん(仮名、69歳、女性)が亡くなったお電話がありましてね。

私は、加藤さんと吉田さんともに20年お付き合いがありましてね。

加藤さんと吉田さんはもっと長いお付き合いをされていました。

 

私を含め、この3人と他2人(60代)の5人が仲良しさんでしてね。

よく食べたり、飲んだりしる昭和仲間でしてね。

年齢はバラバラ、世代も違うけれど楽しく話せる人ばかりでしてね。

吉田さんの病名が・・ガン。

やっぱりそれなのね、という気持ちでした。

 

吉田さんが入院してから加藤さんがLINEでいつもお話をしていたそうでして、

それで、加藤さんのお話では、

 

LINEで話すことでね、

闘病のあの憂鬱な気持ちが和らいでいたのにね、

亡くなる5日前に吉田さんの息子さんから電話がきて、

もうLINEはしないでください、と言われてね、

びっくりもしたけれど、

それが悲しくてね。

その後連絡が来なくなって、どうしたかしら?と心配していたら、

息子さんから電話が来て、

母が亡くなりましたということと、

葬儀は家族だけで行うので、参列はできませんので、と言われてね、

私、ショックで、ショックで。

最期の最後まで顔も見れないで、

このまま会えないで、

火葬されちゃうのと思ったら、

涙が止まらないの・・・と電話の向こうで声を詰まらせながら話している。

 

 

吉田さんという方は

とてもお話が大好きで、みんなに

「今度どこへ行こうかしら?どうする?」というような快活な人。

 

カラオケが大好きで、お上手で。

笑わせるのが得意で、

彼女がいないと空気も違うぐらいな存在でした。

 

家族さんって、

どういう人?と思いましたよ。

LINEを辞めさせるって。

意識不明になるまで好きにさせたらいいじゃないですか、と思うのは私だけでしょうか?

まして吉田さんのお友達は高齢者ばかりなのだから、

いくつかは死の話を経験しているかもしれないけれど、

長年のお友達の死のショックは計り知れないのですし。

 

せめて一番仲良しでご高齢の加藤さんだけでも会わせてあげたらいいのに・・と思うのはいけないことでしょうか?

 

 

最後まで

大人しくだまってベッドでじ~っと点滴やいろんな管に繋がれて、

静かにしているなんて嫌だわ。

友達とLINEしたいわ。

顔みたいわ、

笑いたいわ、

そして死を迎える悲しさや恐怖を和らげたいわ。

 

 

・・と言ってもすべて家族さんが決めることですものね。

「少しでも長く生きて欲しい」という家族の満足だけ、の医療なんて、

ただただ苦痛に耐えるしかない本人をまったく考えていないですものね。

 

もし私の親なら

スタッフさんに許可を取り、

親の友達にLINEをして、

意識がなくなっても名前を呼んであげて欲しいわ。

そしてあの世へ旅立たせてあげたい。

楽しかった友人たちの思い出をたくさん持って。

きっとあの世から

「友達に会わせてくれてありがとう」と言われるわ。

 

吉田さんの人生を彩った人たちへの感謝の気持ちを考えて欲しいわ。

最後なのだから。

 

ああ、心の底から湧いてくる

この気持ちをいくらブログに書いても足りない。

 

お願いだから・・死を迎える人とそのお友達に

「最後にこんなことまでしてくれて嬉しかったわ」と言われるようにしてほしいです。

 

人生の思い出は家族だけではないのだから。

 

今でも思い出す弔辞がありまして、

祖母が亡くなった時に祖母のお友達が

小さな体に痩せた手で弔辞を持ち、静かに

「あなたが私より先にあの世へ逝くとは思いませんでした。私もそちらに行く時がきたら迎えに来てくださいね」と言っていた時が涙が止まりませんでした。

ああ・・やっぱり会いたかったんだろうな・・と。

 

家族には作れない友情という愛は決して忘れてはいけないと思っています。