老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

チェンソーマン。

数日前、

大阪の繁華街にあるとある道を通ると、

昔、派遣で働いていた建物が取り壊され、平地になっていた。

 

そういえば、ここ建物ってかなり古かったわよね・・

 

話は数年前に遡る。

某会社の支店。

社員さんが10名。

パート、アルバイトさんが十数名。

清掃が私一人。

 

清掃の人が長く務まらない、という不思議なお話から始まった紹介だった。

 

その理由がわかったのは働き始めて数日のことだった。

皆さん穏やかで物腰が柔らかい人達だったが、

社員さんの一人だけ強烈に“妙”な雰囲気を持っていた男性がいた。

難しい顔しながら笑う…

笑いながら怒る…

大きな独り言を言う。

 

うう…

危ない…

 

支店長さえその男性と話す時は腫れ物に触るように話をしていた。

当然私はその男性と接触しないように清掃をしていた。

 

逃げ回るしかない、

本当にキケンな空気・・・

 

ある日、会社の男子ロッカー室を掃除していると

あれ?

家庭用のチェンソーと書いてある長方形のダンボール箱があった。

ん?

新品だわ、これ。

 

え?

家庭用チェンソー???

何故ここに?

あ!

まさか…

この建物の周りはそれなりにたくさんの人が行き来をしていたので、タバコの吸い殻が落ちているので1日2回は外周の掃除をしていた。

 

そして小さな庭があり、

歴史を物語る木々がある。

その葉っぱが道路に散る。

 

かなり伸びていた木が2本あり、

柵を超えていたので、

これ、切らなきゃ、通行人に枝が落ちるかもと思っていた。

でも当然私からは言えない。

 

清掃おばちゃんが…そんなこと、

言えるわけがない。

 

 

晴れたある日のお昼すぎ、

庭からチェンソーの音がする。

見るとあの“妙”な男性社員が

会社の庭木をチェンソーで切っている。

 

笑いながら切っている。

 

枝はもちろん、道路側の緑はほとんど切られ、

無残な切り口がたくさんできている。

 

こ、怖い…

 

支店長が建物の中の影からその姿を見ている。

 

もちろん、他の社員もその姿をチラッと見て、逃げるように事務所へ戻る。

 

誰も止められない…

怖い…

 

ああ、

私、きっとあの切った枝やら葉っぱの掃除で呼ばれるわ…と思いながら、

他のフロアーに逃げると、やっぱり携帯に電話がかかってきた。

あの“妙”な男性から、

「外の枝やゴミ、捨てて」

 

やっぱり命令形。

 

仕方がないので覚悟を決めて、ビニール袋を数枚持ち、外に行くと、

あの“妙”な彼が笑いながら、チェンソーの歯を見ている。

 

怖いとしか言いようがない。

 

とりあえず周りは人がたくさん歩いている。

襲っては来ないだろうと思い、彼のそばで枝を集め、

小さく折ってゴミ袋へ入れた。

4~5袋になった。

怖い、怖い…

心の中で何度もつぶやく。

 

ササッとまとめてごみ置き場へ。

 

そこへ支店長と社員さん数人が来た。

「怖かったでしょう?」

「はい…」

「誰の許可も無く、もちろんビル所有者の許可もなく切り始めたんだよ」と支店長。

ええ!!!

 

チェンソーは自前でネットで買って持ってきたそうで…

 

怖っ…

 

近づいてはいけない人がいる……と深く思った。

 

その後もちろん派遣の契約更新はしなかった。

 

 

30代の女性に勧められた人気マンガで

チェンソーマン」というアニメがある。

 

※ 血が苦手は人は見ないで下さいね。

 


アニメ『チェンソーマン』公式サイト

 

とってもダークな世界なので、好き、嫌いが別れると思うけれど、

私はほんの1話を見てその先を見るのを辞めてしまった。

 

…ちょっとキツイ。

 

 

 

ちょっと歴史がある雰囲気が残っていた建物でしたが、

壊されるという理由で皆さん異動されたのね、

なんか・・良かったね、と思ったワタシでした。