「集団検診で病気を見逃し、発見が遅れて・・」のテレビの放送を見る度に、その患者さんとご家族様の悲しみ、そして病院のスタッフさんたちの心を考えると・・胸が痛みます。
確かにお医者さん側のミスもありますし、忙しすぎる病院のお仕事・・
せっかく検診に行っても発見が遅れる、というのも辛いですし、見つかってその後・・・という苦しみも辛いですし。
この世から病気が無くなることはないと思いますが、いずれにせよ、生きているということはいつかあの世へ行かなければならないと自分に言い聞かせつつ、仏教の言葉をまた思い出しつつ・・・生きていくということは大変。
めったに鳴らない固定電話の音。
受話器を取ると・・
「○○様のお宅でしょうか?」
「はい、そうです」
「私は○○病院の○○と申します」
「(え?年に一度のMRIの定期検診を受けている脳外科じゃない!ここの病院から電話が来るのは異常があるとき・・大汗)お世話になっております」
「あの・・・」
「はい?(え?何かあったの?)」
「ご予約の件ですが」
「あ~よかった、一年前の定期検診の事で問題があったのかと思いました」と笑いながら言うと
「大丈夫ですよ。今回はご予約の件です」
「そうでしたか。よかった・・(あ・・びっくりした)」
どうやら先生がお休みの日に出勤されることになって、その日が空いたので来院しませんか?と言うことでした。
その日は私はお仕事でしたので無理でして、変更なしということで。
「せっかくですからそのまま先生はお休みされたらいかがですか?」とお話すると
「そうなんです。私たちもびっくりしまして。朝から夜遅くまで働かれている先生ですので心配なのです」
「そうでしょうね。患者さんのあの人数ですもの。ものすごいハードなお仕事をされておられると思いますので先生はお休みを取られた方がいいと思いますと先生にお伝えしてください」とお話すると
「わかりました、そのようにお伝えします」とお話してくださいました。
倒れるでしょう?先生。
休んだ方がいいですもの。
年に一度の検査を受け、先生に
「問題はありません」と言われる度に胸の重さが消えていく。
あ・・今年も無事だったわ。
「また一年後に検査に来てくださいね」というあの先生の声は一年間の“また来年も健康でここに来るわ”という意志を固めてくださる。
先生。
休みの日は休みましょう。
きっと先生を信じて病気と闘っている方達もそう思っていると思います。