老後サバイブ〜お迎えが来るまで

シンプルな生き方でコロッとあの世へ逝くのが目標

3年前の先輩が遊びに来て・・

3年前は派遣に登録をしていました。

その時に大企業のビルで知り合った72歳の先輩清掃員さんです。

勤続10年、素晴らしい!

とても仕事熱心で、テキパキと動き、ピカピカに綺麗な仕事をされる方で、凄いわ~と思っていました。

 

私の派遣契約が終わってからもたまにラインでお話をしていました。

 

駅で待ち合わせ。

「ひさしぶり~」から始まり、

「何年ぶりかしら。元気だった?」と聞かれ、

「え~どのぐらいですかね~」とニッコリ対応。

まさか、昨年末に会っていますよ、半年ぶりです,

なんて人生の荒波を超えてきた先輩の心を痛める発言なんてできないわ、と思いながら答えていました。

私も大人になったわ(しみじみ・・)

 

人生の記憶や数字なんて大した重要ではないと思っている。

大切なのは自分の名前と

家の住所の番号を言えることと、

お医者さんに言われて飲む薬の数ぐらいなもの。

 

海外では履歴書に生年月日も年齢も性別も書かないことがあるらしいです。

 

 

前回は喫茶店でお話だったので、

今回は先輩を自宅にお招きしてお茶をしました。

というのも、

この先輩が話す内容はすべて予測可能な状態ですので。

 

ええ、そうなのです。

一緒に働いていた時に、何に反応してどういう発言をどこで行うかすべて理解していまして、前回の喫茶店でも完璧に同じだったので(笑)

 

自宅に入ってから、すべてそのようになりました。

やっぱり変わらないわ~と微笑ましく思えるぐらい。

大人の余裕で人と話せるってこんな感じね、と思っていました。

 

内容はすべて同じ。

前回の繰り返しでした。

 

増えた話が、

「今年清掃部門に〇〇人、入社したそうだけれど、退職者がその倍の〇〇〇人だったそうよ」と。

「え~~!」

「理由は何だと思う?」

「う~ん・・・入ってきた人が大方辞めたのと、高齢の人が退職されたかしら?」と話すと。

「ううん、ほぼほぼ高齢で働いていた人たちの退職」

「え~!」

「みんな体調不良や、自分の体が動かなくなった70~80代ですって」

 

自然なことですものね・・

体が動かなくなるって。

「〇〇人入ってきても圧倒的に足りなくてどこの現場も人手不足。社員さんも駆り出されている状態」

「あら・・・」

 

当然起きているであろう、清掃あるあるの

「ここの現場は4人で契約だけれど、3人はいるけれど、おひとりは見えない存在」が起きているハズ。

 

現場は大変。

仕事量大幅にアップ。

そして高齢者は疲れる。

辞められない事情があるから頑張る

疲れる。

寝ても疲れが取れない。

起きるのが大変になる。

動けない。

休みを増やしてもらいたい

人手不足だから休めない

疲れが溜まって・・倒れる。

労働意欲が失われるか、

入院、もしくは家族から退職を促がされるような事態に発展する。

 

清掃は早朝が大多数で、

現場によって多種多様なスタート時間。

基本はお客様が入る前に使っていないところのすべてを完了させることを次々することなので、

とっても大まかな書き方をすると・・

6時~オフィス、病院

6時30分~7時 ホテル共用、学校

9時~ホテル客室

 

この時間帯に出勤できるのは子育て世代は無理。

独身か、

子育てを終わっている人しか来れないのが現状。

「これからますます高齢者が辞めていくし、今の若い人たちなんて高齢になっても清掃なんて来ないのに」と先輩と話していました。

 

もう一つ増えた話が、

「相談なんだけれど」と言うことで、私のお仕事スイッチが発動。

会社の担当者が異動して新しい人になったけれど、その人をどうしたらいいか?と言うこと。

内容は・・本当に困ったちゃん。

その対応方法をお伝えしました。

それが私のもう一つのお仕事なので(笑)

 

ただね、

注意事項がありまして、

相手を動かす前に必ずしなければならないことがありましてね。

それを守ってもらえないと相手を動かすことはできません。

 

恋愛ならまだしも

会社の上下関係です。

ちょっと触る場所が違います。

 

お話をしていて

あ~本当はこっちの話を聞いて欲しかったのね、とわかりました。

「話してスッキリしたわ、教えてもらったことをやってみるわ」と言われました。

 

 

帰り道の先輩の背中を見ながら

女性として

母として、

大黒柱として、

一人の人間が背負ってきたものの大きさを感じ、

高齢であと何年働けるかわからないけれど、まだきちんと仕事に向き合っている人のチカラになりたいわ、と再確認しました。

 

約束事、守ってもらえるかしら・・

それができないと今回の上司は動かしづらいから、とちょこっと心配しながら祈る私でした。