3ヶ月に一度の病院受診。
少し早めに病院へ到着していると
小柄で痩せた70代ぐらいの女性が来て、私の後ろに並びました。
あら…何かソワソワしているわ…と思ったので、
「初めての受診ですか?」とお聞きすると、
「ええ、神奈川からきました」と。
「それは…遠方からご苦労様です」と言うと、
「いろいろ調べて、世界中から患者さんが来られると知り、ここの先生に一度でいいから見てもらいたいと思いまして」と話されました。
「それは大正解ですよ。この先生は間違いないです。他の先生なら私の病気には手術をするのですが、この先生は治療だけで大丈夫と言うことでここまで来てます」と話す時と、
「来てよかった…」と言われました。
不安で、
不安で、
落ち着かない。
「初診は緊張しますが、大丈夫ですよ。良い先生ですから安心して見てもらってください」と背中を擦ったりしていました。
病院のドアが開き、中へ。
その女性を先に受付をしてもらい…
やっぱり緊張している。
わかるわ…
私でも震えるわ。
だって病気が病気なので。
名前を呼ばれるまでそばに座って、
ずっとその女性のお話を聞いていました。
少し笑いも出てきて…良かった。
「なかなか他の病院では治らなくて。
今年75才で一人暮らしですが、思い切って昨日から大阪に来て、ホテルに泊まり、今朝ホテルを出てきました。
緊張していますが、こうやって話を聞いてもらえて良かったわ」と話されました。
良かった、お役に立てて。
そうよね。
このままでは病気が治らないと、と思い、
自分で調べ、
決意し、
電話をかけて予約。
質問事項を答えあげ、
受診時の注意事項を聞き、
ホテル、飛行機を予約し、
飛行機に乗って、
大阪まで行き、
初めての病院で
特殊な病気の受診を
75才のあなたが一人でできる勇気がありますか?
私は…多分ない。
多分病気慣れしているのならできるかもしれないけれど、
他府県ですよ、飛行機に乗って。
「お疲れでしょう…?」と聞くと、
「これ一回だけでもいいからはっきりしたくて、の覚悟です」と言われました。
ああ…
家族さんは?
…聞けなかった。
そして私の順番が来て呼ばれ、終わり、
少し話して、私は帰ることになりました。
待合室から手を振る女性の姿を見ながらお別れ。
外に出ると…なんか涙が出そうで…
私なら…
私なら…
やっぱり75才でここまで来るのは心と体がしんどいわ。
旅行ならまだしも…
日本中のこの科目のお医者さんが、
ここ先生のように患者さんや病気に対して真剣に向き合ってくださるように願うばかりです。